給与明細の見方:控除の各行は何か、月給25万円の例で

最終確認:2026年10月1日適用年度:令和8年度

給与明細は勤怠・支給・控除の3つの欄でできています。手取りが減る理由は全部「控除」の欄にあります。月給25万円(年収300万円・賞与なし)の例で、控除の1行ずつを「何に対して何%か」まで並べました。

月給25万円の給与明細(2年目以降・40歳未満・扶養なし・概算)
20.0万円

総支給額 250,000円 − 控除合計 50,050円(20.0%) = 差引支給額(手取り)

就職1年目(住民税なし)なら 209,575円

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控除の欄:1行ずつの意味と計算

行何に対して率(本人負担)月給25万円の例
健康保険料子ども・子育て支援金を含む標準報酬月額 26万円9.90% ÷ 2 + 0.115%13,169円
介護保険料40〜64歳のみ標準報酬月額0.81%—(40歳未満)
厚生年金保険料標準報酬月額 26万円9.15%23,790円
雇用保険料その月の総支給額(通勤手当を含む)0.5%1,250円
社会保険料 小計15.3%38,209円
所得税社会保険料を引いた後の給与と扶養人数(源泉徴収税額表)5%〜(累進)2,216円年税額÷12の目安
住民税2年目の6月から前年の所得(所得割10%+均等割・森林環境税5,000円)10% + 定額9,625円
控除合計20.0%50,050円

※ 健康保険料率は全国平均9.90%。都道府県で9.21%〜10.55%の差があります(都道府県別)。健康保険組合の会社は料率が違います。

※ 所得税の行は概算です。実際は「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」の金額で、年末調整で1年分が精算されます。

※ 住民税は前年の所得に対して翌年6月から引かれます。1年目は引かれません。

※ 社宅の家賃・組合費・積立金など会社独自の控除がある場合は、この表の外に並びます。

支給の欄・勤怠の欄

基本給
手当を除いた給与のもと。残業代の単価(1時間あたり)は、基本給と一部の手当を所定労働時間で割って出します。残業代の計算
時間外手当(残業代)・深夜手当・休日手当
法定の割増率は時間外25%・深夜25%・法定休日35%が下限。勤怠欄の「時間外労働時間」と突き合わせて確認できます。
通勤手当
一定額まで所得税は非課税ですが、社会保険料の計算には含まれます。標準報酬月額を決めるときの報酬に入るためです。非課税の限度額
役職手当・住宅手当・家族手当など
会社の規定で決まる手当。原則すべて課税され、社会保険料の計算にも含まれます。
総支給額(額面)
支給の欄の合計。求人票の「月給」、源泉徴収票の「支払金額」(年間)と同じ意味です。
勤怠欄(出勤日数・欠勤・有給残・時間外時間)
支給額の根拠。欠勤控除や残業代が合っているかは、ここと支給欄を見比べます。

「標準報酬月額」を知ると、保険料の理由がわかる

健康保険料と厚生年金保険料は、毎月の給与そのものではなく標準報酬月額という区切りの額(等級)にかけます。月給25万円なら健康保険は26万円の等級。原則、4〜6月の給与の平均で決まって9月から翌年8月まで使われるため、残業が多かった春の後は保険料が上がることがあります(定時決定)。給与が2等級以上変わって3か月続くと、途中でも見直されます(随時改定)。

よくある質問

給与明細の「総支給額」と「差引支給額」の違いは何ですか。
総支給額は基本給・残業代・各種手当を足した額面、差引支給額は総支給額から社会保険料と税金(控除合計)を引いた手取りで、口座に振り込まれる金額です。求人票の「月給」は総支給額のほうを指します。
健康保険料はどう決まりますか。毎月違うのですか。
毎月の給与ではなく標準報酬月額(4〜6月の平均給与を等級表にあてた額)に料率をかけ、会社と半分ずつ負担します。月給25万円なら標準報酬月額は26万円で、健康保険料は月12,870円(全国平均9.90%・本人負担分)。原則として9月から翌年8月まで同じ金額です。
厚生年金保険料はいくらですか。
標準報酬月額 × 18.3% を会社と半分ずつなので、本人負担は9.15%。月給25万円(標準報酬月額26万円)なら月23,790円です。標準報酬月額の上限は65万円で、それ以上の給与では保険料は増えません。
雇用保険料の計算方法を教えてください。
雇用保険料だけは標準報酬月額ではなく、その月の総支給額(通勤手当を含む)× 0.5%(一般の事業・本人負担)です。月給25万円なら月1,250円。残業が多い月はその分増えます。
所得税が先月と違うのはなぜですか。
毎月の所得税は「給与所得の源泉徴収税額表」で、その月の社会保険料を引いた後の給与と扶養人数から決まる仮の金額です。残業代で給与が変わればその月の所得税も変わります。1年分は12月の年末調整で精算され、払いすぎていれば戻ってきます。
住民税が6月から急に引かれ始めました。
住民税は前年の所得に対して翌年6月から翌々年5月まで12回で引かれます。就職1年目は前年の所得がないので引かれず、2年目の6月から始まります。金額は6月に届く「特別徴収税額の決定通知書」で確認できます。住民税の仕組み
入社した月の給与から社会保険料が引かれていません。間違いですか。
多くの会社では、その月の分の健康保険料・厚生年金保険料は翌月の給与から引く(翌月控除)ため、入社月の給与明細には載りません。翌月から引かれ始めます。雇用保険料と所得税は初月から引かれます。
介護保険料はいつから引かれますか。
40歳になった月の分から、健康保険料に上乗せして引かれます(料率1.62%を会社と半分ずつ)。65歳以降は健康保険からは引かれず、年金から天引きに変わります。

出典と適用年度

適用年度:令和8年度最終確認:2026年10月1日

全国健康保険協会
令和8年度都道府県単位保険料率
全国健康保険協会
子ども・子育て支援金率
厚生労働省
令和8(2026)年度 雇用保険料率のご案内
国税庁
所得税の速算表(No.2260)
総務省
個人住民税の概要(均等割・所得割の標準税率)

本ツールの計算結果は概算です。正確な給与計算や税額については、勤務先の人事・経理担当者、または社会保険労務士・税理士にご相談ください。